言われてみればどうして?シートベルトが黒やグレーな理由とよくある質問あれこれ

車に乗ると当たり前のように締めるシートベルト。よく見ると、そのほとんどが黒やグレーの色をしています。車の外装は赤、青、緑などカラフルですが、なぜシートベルトの多くが黒系なのか考えたことはありますか?
この記事では、そんな「確かに言われてみればどうして?」の理由を解説するとともに、シートベルトに関する豆知識をいくつか紹介します。
シートベルトの多くが黒やグレーの理由

シートベルトの色が黒やグレーである主な理由は、以下の2つが挙げられます。
汚れが目立ちにくい
車内でシートベルトは頻繁に触れる部分のひとつです。手の皮脂やホコリ、衣服の擦れなどで意外と汚れやすいのですが、黒やグレーは汚れが目立ちにくい絶妙な色合いになっています。そのため、清潔感を保ちやすく、多くのメーカーで採用されています。
内装と調和しやすい
シートベルトの色は車の内装と調和するように設計されています。車の内装には黒やグレーが多く使われるため、シートベルトも自然とグレー系統の色が主流になりました。目立ちすぎず、インテリアに溶け込むため、違和感を感じにくくなっています。
意外と知らないシートベルトに関する豆知識

日本でシートベルトは1969年に義務化された
シートベルトの起源は、航空機やレーシングカーで使われていた安全ベルトにさかのぼります。自動車に広く普及したのは1960年代からで、そのころにはアメリカや日本など法律で着用が義務化される国が増えました。現在、一般的に使われている3点式シートベルトは、1959年にスウェーデンのボルボ社が開発したものです。それまでのシートベルトは腰だけを固定する2点式が主流でしたが、3点式は肩と腰の両方を支えることで安全性が飛躍的に向上しました。
できたてのシートベルトは白い
実は、製造されたばかりのシートベルトは白色をしています。そのままだと汚れが目立ちやすいため、グレーに着色されてから車に取り付けられます。この加工により、見た目の清潔感と耐久性が向上しています。
シートベルトはどれくらいの力に耐えられる?
シートベルトは非常に強度が高く、最大で3トン以上の引っ張り力に耐えられるように設計されています。しかし、これで十分なのかというとそうではありません。仮に体重80kgの人は事故を起こした際、時速25kmで2トン、40kmで2.8トンの衝撃がかかるという試算もあります。そのため、シートベルトだけでなく、エアバッグや車両の衝撃吸収構造と組み合わせることで、安全性をより高めています。
シートベルトの寿命はどれくらい?
シートベルトは耐久性が高く一般的には10年~15年程度が交換の目安とされています。しかし、シートベルトが寿命を迎えるより車が廃車になる場合がほとんど。シートベルトの寿命はほとんど気にする必要はありません。
ただし、強い衝撃を受けた場合、シートベルトにほつれや変形が見られた場合は交換を検討した方がよいでしょう。
シートベルトをしないと法的なリスク
日本では、運転席と助手席のシートベルト着用は法律で義務付けられており、未着用の場合は違反点数が科されます。反則金はいずれの場合もありません。
・運転席・助手席での未着用:違反点数1点
・高速道路での後部座席未着用:違反点数1点
・一般道での後部座席未着用:違反点数なし(口頭注意)
後部座席のシートベルト着用は、高速道路では義務付けられていますが、一般道では努力義務となっています。ただし、事故時の安全性を考えると、一般道でも必ず着用することが推奨されます。
日本のシートベルト着用率
日本におけるシートベルトの着用率は、警察庁の調査によると運転席・助手席ではほぼ100%に近い数値となっていますが、後部座席では一般道で40〜50%、高速道路では70〜80%程度と、まだ完全には普及していません。
まとめ

シートベルトがグレーである理由は、「汚れが目立ちにくい」「内装と調和しやすい」などの合理的な理由があることが分かりました。実は茶や赤色のシートベルトもありますが、それでも多くの車で最初から装着されているシートベルトはほとんどは黒かグレーでしょう。
安全のためにも、シートベルトをしっかりと着用し正しく使用しましょう!