酸性雨が車に及ぼす影響とは?対策もご紹介
長年、酸性雨は国際的な環境問題として人々を悩ませています。
酸性雨は、生態系を破壊したり建造物を劣化させたりするだけでなく、車に重大なダメージを及ぼす危険もあります。
この記事では、酸性雨の原因や車への影響、酸性雨から車を守る方法をご紹介します。
酸性雨の知識を身に付け、ご自身の愛車を大切に守りましょう。
そもそも酸性雨はどんな雨?
酸性雨とは、硫黄化合物(SO2)や窒素化合物(NOx)が溶け込んで、通常よりも強い酸性になった雨や雪のことです。
酸性雨の原因とその影響をご説明します。
酸性雨の原因
酸性雨に含まれる硫黄化合物(SO2)や窒素化合物(NOx)は、火力発電所や工場、自動車などの燃料燃焼時に発生し、大気中に放出されます。
また、特に日本では火山活動によって原因物質が放出されます。
SO2とNOxが雨水に溶け込み、化学反応により硫酸や硝酸に変化して強い酸性を示します。
酸性雨の影響
酸性雨により河川や土壌が汚染され、樹木が枯れたり、魚や昆虫などが減少したりし、生態系が乱されます。
また、コンクリートが溶け出したり、金属が錆びたりして建造物が劣化します。
酸性雨は、原因物質の発生地点から100~1,000kmも離れた地域にまで影響を及ぼすため、国際的な問題です。
酸性雨が車にウォータースポットを作る
酸性雨が車に及ぼす最も大きな影響として「ウォータースポット」が挙げられます。
ウォータースポットとは、塗装面で水滴模様状に陥没した穴のことです。発生するメカニズムを簡単にご説明します。
まず、車のボディに付着した酸性雨が太陽の熱により蒸発し、雨滴の酸性度が高くなります。
同時に、塗装面が太陽の熱によって軟化します。
そして、強い酸性の雨滴が軟化した塗装面に入り込み、塗装を腐食します。
それによりできた陥没した穴をウォータースポットと呼びます。
塗装面に凹みができている状態なので、どれだけ薬品できれいにしても取り除くことはできません。
ウォータースポットを除去するためには、後述する研磨作業が必要です。
車を守るために酸性雨への対策
車にダメージを与える酸性雨から車を保護する方法をいくつかご紹介します。
雨に濡れないように屋内で保管する
雨に濡れないように屋根付きの駐車場や屋内のガレージで車を保管することが最も確実な対策です。
酸性雨だけでなく紫外線や黄砂などからも車を守れます。
屋内環境に停めることが難しい場合は、車全体を覆う防水カバーを用いるのがおすすめです。
雨に濡れたら早めに洗車する
酸性雨の水滴を放置するとウォータースポットが発生してしまうため、その前に洗車してしまいましょう。
軽く水洗いするだけでも効果があります。
洗剤の成分や水道水のカルシウム分が残ってシミになるのを防ぐために、洗車後は素早く入念に乾拭きしましょう。
カーコーティングをする
カーコーティングとは、塗装面に被膜を作って汚れや傷をつきにくくする施工のことです。
「親水タイプ」のコーティングならば「撥水タイプ」と異なり、塗装面に水が馴染んでゆっくりと引いていき、水玉ができません。
水玉はレンズのように太陽光を集めて塗装面の温度を上げてしまい、上記のウォータースポットの原因となるため、できるだけ水玉が残らないようにしたいところです。
親水タイプならば、雨水と一緒に汚れが流れて、洗車頻度を抑えられるというメリットもあります。
傷を補修する
車の塗装にはボディの金属を保護する役割があります。
小さな傷であっても、そこから酸性雨が入り込みボディの金属が錆びる恐れがあります。
目立たない傷であっても放置せずにできるだけ早めに補修しましょう。
ウォータースポットの修繕方法
ウォータースポットは、塗装面が陥没した状態なので、キレイにするためには研磨する必要があります。
ポリッシャーや研磨剤を用いて、ウォータースポットとその付近を研磨することで、陥没した箇所を目立たなくします。
ご自身で研磨すると磨きすぎて返って研磨跡が目立ってしまうことがあるため、ディーラーや専門業者に相談することをおすすめします。
ただし、奥深くまで陥没してしまったウォータースポットはプロでも取り除くことが難しいため、放置せずに早めに対処しましょう。
まとめ
酸性雨の原因やその影響、対策方法をご紹介しました。
自然現象である酸性雨そのものを防ぐのは困難ですが、適切に処置すれば車へのダメージを防げます。
ぜひ酸性雨から愛車を守りながら、楽しい運転ライフを過ごしてください。