タイヤチェーンはどう選べばいい?種類や形状、選び方を解説
突然の降雪によりタイヤチェーン規制が敷かれ、困った経験のある人もいるでしょう。急なタイヤチェーン規制に備えて、冬場はスタッドレスタイヤを履いていてもタイヤチェーンを車に載せておくことが大切です。
タイヤチェーンは材質や形状によってグリップ性や装着性が異なります。
本記事では、タイヤチェーンの種類や形状、選ぶ際のポイントを解説します。
タイヤチェーンの種類
タイヤチェーンの種類は大別すると以下の4つです。
・金属製
・ゴム製
・布製
・スプレータイプ
それぞれの特徴を解説します。
金属製
金属製のタイヤチェーンは、雪道での走破力に優れています。後述するゴム製に比べて安価かつコンパクトであることがメリットです。
一方で、走行時の騒音や振動が大きいため乗り心地に劣ることがデメリットです。また、雪の少ない道では金属製のチェーンは切れやすいといわれています。
過酷な環境で使われるため、鉄製チェーン表面にめっきがされていても剥がれてしまいがちです。タイヤチェーンの使用後は十分な洗浄、乾燥、さび止め剤の塗布といったメンテナンスを怠るとめっきが剥がれた箇所にさびが侵食し、切れやすくなります。
ゴム・樹脂製
ゴムや樹脂製のタイヤチェーンは、金属製のものよりも柔軟な素材でできているため、走行時の騒音や振動が比較的少なめです。金属製よりも軽く、簡単に装着できます。雪の少ない道でも切れにくいといわれています。
ただし、金属製や布製に比べると高価です。金属製や布製よりもかさばるものが多く、車内のスペースを多くとることもデメリットです。
布製
布製のタイヤチェーンのメリットは、金属性やゴム製に比べて軽く扱いやすいことです。タイヤにかぶせるだけで簡単に装着できます。
金属製とゴム製だけでなく布製チェーンもチェーン規制中に走行できます。
走行時の騒音や振動も少なめです。コンパクトにたたんで車内に収納できることも魅力です。
布製は耐久性に不安があるかもしれませんが、金属性やゴム製も乾燥路で切れるリスクがあります。一概に布製の耐久性が悪いとは言えません。
また、水分を含んだまま氷点下で付けっぱなしにすると、凍結することがあります。タイヤチェーンが凍結して路面と一体化したまま走行しようとすると、タイヤチェーンが破損するかもしれません。
スプレータイプ
粘着性の樹脂が含まれた液体をタイヤに噴霧するタイプのタイヤチェーンもあります。
スプレーを吹き付けてタイヤ表面に細かいざらつきを作り、摩擦力を高めることで雪道や凍結路でスリップしにくくします。
手軽に利用できることがスプレータイプのメリットです。車内に常備しても邪魔にならないことも魅力です。
ただし、スプレータイプはタイヤチェーンとして認可されておらず、タイヤチェーン規制中はスプレータイプを使っても走行できません。スリップを防ぐ効果の持続性は、走行距離10~70km程度と低めです。また、車体や手、衣類に付着すると落としにくいこともデメリットです。
スプレータイプはあくまで非常用。しかし、冬タイヤの交換前後に突然の降雪があったときに便利なので、車内に置いておくことをおすすめします。
タイヤチェーンの形状
金属製のタイヤチェーンの形状は、主に以下の2つです。
・はしご型
・亀甲型
特徴をそれぞれ解説します。
はしご型
はしご型は、はしごのように一定間隔でタイヤと平行に鎖が配置されたタイヤチェーンです。ラダー型とも呼ばれます。
はしご型はタイヤチェーンの代表的な形状です。前後方向には高い制動力を発揮する一方で、横方向の制動力はあまり高くありません。
亀甲型
亀甲型は、亀の甲羅のように鎖が六角形状に配置されたタイヤチェーンです。リング型と呼ばれるケースもあります。
亀甲型は前後と横のどちらの方向にも高いグリップ性能を発揮します。ただし、はしご型よりも重いことが欠点です。
タイヤチェーン選びのポイント
タイヤチェーンを選ぶ際は、以下のポイントに注意しましょう。
・取付け難易度
・サイズ
・乗り心地
・耐久性
・可搬性
・オプション内容
それぞれの内容を解説します。
取り付け難易度
商品によって、取り付け難易度が大きく異なります。取り付けの際に車の移動や増し締めが必要なものは手間がかかります。増し締めとは、一旦タイヤチェーンを取り付けて数百メートル走行した後に、再度チェーンを締める作業です。増し締めをしないと、振動が大きくなり、チェーンが切れるかもしれません。
タイヤチェーンの取り付け経験が少なく不慣れな人は、できるだけ簡単に取り付け可能なタイヤチェーンを選びましょう。布製のタイヤチェーンには、装着性に優れたものが多くあります。
サイズ
タイヤサイズに合ったタイヤチェーンを取り付けないと、取り付けられなかったり、走行中に脱落したりする恐れがあります。タイヤサイズに合った製品を選びましょう。
また、タイヤホイールと車のボディ部分の隙間(クリアランス)が十分に確保されていないと、タイヤチェーンを取り付けられなかったり、引っかかって走行できなかったりするかもしれません。
タイヤチェーンの説明書きに、必要なクリアランスが記載されています。純正以外のタイヤを取り付けている際は特に、自車のクリアランスを確認し、適合するタイヤチェーンを入手してください。
乗り心地
商品によって乗り心地に差があります。積雪が少ない道路を走行する際は特に顕著です。
金属性よりもゴム・樹脂製、布製のほうが乗り心地に優れている傾向にあります。
耐久性
タイヤチェーンを取り付ける頻度が高い人、タイヤチェーンを取り付けて長距離を走行する人は、耐久性の高い製品を選びましょう。
JASAA認定されたゴム・樹脂製のタイヤチェーンは耐久性が高めです。
可搬性
可搬性の優れたタイヤチェーンであれば、冬場は車に常に載せられ、いざというときにすぐタイヤチェーンを取り出せます。
ゴム・樹脂製のタイヤチェーンはかさばるものが多い傾向にあります。
オプション内容
オプション内容も重要です。取り付け方法が詳細に記載された説明書があると、取り付けが上手にできなかったときに役立つでしょう。
タイヤチェーンの収納ケースがオプションで付属していれば、車への積載だけでなく自宅での保管でも困らないでしょう。
まとめ
タイヤチェーンの種類や形状、選ぶ際のポイントを解説しました。
タイヤチェーンの材質や形状によって、取り付け難易度や乗り心地、耐久性が異なります。特徴を十分に把握してタイヤチェーンを選ぶことが大切です。
タイヤチェーン選びに迷っている人は、ぜひ本記事を参考にしてください。