ロマンある遺跡や古墳をめぐる山形旅
山形県には、良質な状態で遺された縄文時代や古墳時代の文化遺産がたくさんあります。
今回は山形県内に数ある遺跡のうち、【天童市西沼田遺跡公園】と【南陽市稲荷森古墳】に行ってきましたので、ご紹介いたします。
天童市西沼田遺跡公園
西沼田遺跡は、天童市矢野目で昭和60年に実施された発掘調査により発見されました。
古墳時代に活用された木製の農具や糸巻をする道具、食べ物など、当時の様子をうかがえる貴重な資料がたくさん出土されたとのこと。
遺跡公園内にある屋根や壁が藁で覆われた建物は、古墳時代に生活していた建物を復元したものです。
ネズミ返しの工夫が施された高床式倉庫や河川、水田跡なども復元されています。
中に入れる建物もあり、この日はたき火をして暖を取っている人が会話を楽しんでいるところでした。
小学校高学年の社会で古墳時代を学ばれたお子さんや、古墳時代がお好きな方にはぜひおすすめです。
公園の周りには木や住宅がほとんどなく、とても見晴らしの良い場所です。
障害になる物が少なく、草が植えてあり地面が固くないので、小さいお子さんがのびのび走り回っても大丈夫のように思えました。
そばにある「ぬまりん館」には、西沼田遺跡公園から発見された出土品が見れる展示室があります。大人は100円、子どもは無料です。
縄文や古墳時代の東北の文化について、そして天童市内にある200箇所以上の遺跡について書かれた解説もあり、知識をより深められました。
当時使われていた刃先が鉄製の鍬やスキなどの農具も復元されていて、触ったり持ったりと貴重な体験をすることもできます。
ほか、出土品から何を食べて暮らしていたのか考察しているコーナーもあり、ただ眺めるだけではない楽しみ方ができるのも見どころです。
ほかにも、展示室には勾玉や土器、木製品などの出土品がまだまだあります。館内では体験学習ができるイベントも随時開かれているとのこと。
常時開催の体験学習は、遺跡で採れた数珠玉でのストラップづくり、勾玉づくり、はた織体験などです。
ほか、土器づくりや弓矢体験、正月飾り作りなど、毎月、そして季節ごとのイベントも開催されています。
訪れた日には、遺跡を解説するセミナーが開かれていて、多くの人が話に聞き入っていました。詳しくは公式ホームページをご覧ください。
ぬまりん館の展示室には、南陽市にある【稲荷森古墳】を紹介しているコーナーもありました。
実は昨年7月に訪れていたので、今回合わせてご紹介させていただきます。
南陽市稲荷森古墳
【稲荷森古墳】は、南陽市長岡稲荷森で昭和9年に発見された古墳です。
全長は96mあり、山形県内では最大、東北では7番目に当たる規模の前方後円墳になります。古墳の大きさから、当時置賜地方を治めていた首長は、相当権力が強い長だったのではないかと推測されています。
木製の棺を入れる石室がないことや、古墳からは埴輪や装飾品が発見されなかったことで、地域柄も考察されているようです。
後円部が3段で構成され高さが4mあり、古墳の頂上まで上り切ると汗が吹き出ました。暑い季節の昼下がりに来たので、日差しが強く、水分やタオルを持参したほうが良いと思いました。
一緒に連れてきた子ども達は物珍しさもあり、ずっと興味津々で古墳の端から端まで行ったり来たりを繰り返し楽しそうでした。
大人も子どもも楽しめるので、時間ができたときに訪れるにはちょうどいいスポットのように思います。
南陽市で発見されている古墳は【稲荷森古墳】を含めると13カ所あります。遺跡の数は古墳以上にあるとのこと。
休日を使って遺跡や古墳を巡るのも楽しそうですね。
今回ご紹介した遺跡や古墳は、舟形町や高畠町、赤湯など、山形県内の至る所でまだまだ発見され続けているようです。
遺跡や古墳から出土された資料が展示された資料館や博物館も、山形市や南陽市などに点在しています。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
今回紹介したスポットの情報
【天童市西沼田遺跡公園】
住所:山形県天童市大字矢野目3295
駐車場:あり
電話番号:023-654-7360
ホームページ:公式ページ
【南陽市稲荷森古墳】
住所:山形県南陽市長岡稲荷森
駐車場:あり
ホームページ:公式ページ(南陽市)